- ファミクロを採用するときの注意点は?
- ファミクロって便利そうだけどデメリットは?
- ファミクロを作りたいけど後悔はしたくない!
Instagramなどでもよく見かけるおしゃれで利便性も高い「ファミクロ」。
よく計画して作らないと家事効率化どころか、使わない無駄なスペースになってしまう可能性も高いです。
私自身、自宅にファミクロを作ることは憧れでした。しかし「憧れ」だけで採用せず、将来性を見通した計画を立てることで、住みよい家づくりを実現することに成功しました。
この記事では、ファミクロの採用で失敗しないために、知っておきたいポイントを詳しく解説します。事前にポイントを押さえることで、後悔しない家づくりを目指しましょう。
ファミクロを辞めた理由
2024年に大規模なリノベーション工事を終えたわが家ですが、憧れのファミクロの採用を辞めました。理由は「将来的に使わないと判断したから」です。
ファミクロを作ることで、家族の衣類など一括管理できて家事がラクになります。子どもが小さいうちは、ファミクロでまとめて収納や着替えなどのお世話ができるため、とても魅力的ですよね。
わが家の場合、ファミクロを採用するとなれば、夫婦に加えて子ども3人分の収納スペースの確保が必要です。しかし、子どもが成長とともにファミクロを使わなくなる可能性を考えると、スペースの無駄が大きいことに気づきました。
多くの場合、1階は家事動線の主要。
貴重なスペースを無駄にしない計画性が必要です。
夫婦と男の子3人の生活をしているわが家では、
- 家事の負担が少ない家にすること
- 長く住みやすい家にすること
- 断熱性を上げること
以上3つがリノベーションの主な目的でした。
「家事の負担が少ない家にする」という目的は達成できそうですが、「長く住みやすい家にする」という目的と合わずにファミクロは断念。
しかし、計画次第ではファミクロを利便性高く使うことも可能です。以下の記事を参考に、ファミクロ採用のポイントを理解したうえで、ご自身の家づくりの目的と照らし合わせて計画してください。
「ファミクロ」とは
ファミクロは「ファミリークローゼット」の略称。その名の通り「家族みんなで使うクローゼット」です。家事や生活の時短の目的で作られることが多いです。設置する場所は、家族みんなが使いやすい場所にして、家族の収納を集約するイメージです。
ファミクロを採用するときのポイント
家が完成してから間取りを変えるのは、費用もかかり、構造上難しい場合もあります。「ファミクロを作ったのはいいけど、上手く活用できなかった…。」ということにならないためにも、しっかり計画を立てましょう。以下では、ファミクロを採用するときのポイントを解説します。
場所は目的に合わせて選ぶ
ファミクロをどんな目的で使いたいかによって、設置する場所を決めましょう。動線を考えた設置が大切です。
玄関やリビングの近く
外出時や帰宅時の荷物の管理がスムーズになる導線です。
コートやかばん・帽子など、帰宅時にはすぐに片付けられて、外出時には準備がラクになります。
ランドリールームやベランダの近く
洗濯から収納までの家事動線がスムーズになる導線です。
ファミクロの中にハンガーパイプを設置すれば、干した洗濯物をそのままかけて収納できるため、畳む作業を短縮できます。
寝室の近く
朝起きてからの着替え・支度がラクにできます。寝室や子ども部屋の近くにすることで、子どもが成長したときも自室で着替えられるためプライバシーを確保が可能です。
収納量と使い方によりサイズを決める
- 収納したいものは何か
- 模様替えした服もすべて収納するのか
- 使う頻度が低いものは各部屋の収納にしまうのか
- 収納したいものの量はどれだけあるのか
など、具体的に収納したいものの量をあらかじめ想定しておきましょう。洗濯物をたたんだり、着替えしたりするスペースが必要であれば、使い方に合わせたスペースの確保が必要です。
将来性も考えて決める
家族が増え、必要な収納スペースも増える可能性
子どもが反抗期や思春期になり、ファミクロでの着替えを嫌がった場合の対応
子どもが親元を離れる場合、使わなくなったスペースの活用法
造りつけの棚は使わず、各部屋に移動させることができる収納を使用することもスペースの使い方の自由度が高くなりおすすめ。子どもが大きくなったときに収納を各部屋に移動でき、ファミクロとして使っていたスペースもスッキリします。
必要な収納量が増えたり減ったりすることも想定し、都度どのような用途で使うのか計画を立てておくとスペースを有効活用できます。
ファミクロの種類
ひと口に「ファミクロ」といっても、種類やタイプがあり使い勝手もさまざまです。ファミクロにおける「2つの動線」と「4つの収納タイプ」について解説します。
2つの動線
ファミクロの導線には「ウォークインクローゼット」と「ウォークスルークローゼット」の2種類があります。以下でそれぞれの特徴を説明します。
- 「ウォークインクローゼット」
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ウォークインタイプは出入り口が1つで、奥は行き止まりになっています。奥まで収納スペースとして物を置けるため、収納できる量が多いです。出入り口が1つしかないため、ウォークスルータイプと比べると動線は限られます。
- 「ウォークスルークローゼット」
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ウォークスルータイプは出入り口が2つあり、通り抜けできるようになっています。身じたくや家事など、一連の動線がスムーズです。通り抜ける通路が必要になるため、ウォークインクローゼットと比べると収納量はやや劣ります。
4つの収納タイプ
「Ⅰ型」「Ⅱ型」「L型」「U型」の4種の収納タイプがあります。以下は、ファミリークローゼットを上からみた図です。
収納棚が多いほど、収納の量もアップします。それぞれ収納量や使い勝手も変わるため、目的や家の間取りに合ったタイプを選ぶことが重要です。
ファミクロのメリット・デメリット
ファミクロの設置にはメリットもデメリットもあります。どちらも把握した上で、採用を決めましょう。
メリット
ファミクロを採用することで得られるメリットを紹介します。
家事効率のアップや生活動線のスマート化ができる
家事や生活動線を効率化させられます。「干した洗濯物をそのまま収納できる」「帰宅後荷物をスムーズに片付けられる」などを実現可能です。ファミクロの設置場所によっても得られる効果が変わるので、目的に合わせて場所を決めることが前提です。
他の部屋がスッキリする
ファミクロに家族の荷物を集約するため、各自の部屋の荷物が少なくなります。帰ってきてリビングのソファに置いていたコートやかばんなども、専用の収納場所を作ることにより片付きやすくなります。
物の管理がラクになる
子どもが小さいご家庭は、子どもの服やかばんなどの荷物もパパ・ママが管理することが多いのではないでしょうか。子ども部屋まで荷物を運んで、仕分けて、持ち物をチェックして…子どもたちが小さいうちは特に、物の管理も大変です。ファミクロで子どもの服や荷物を一括管理できるようになるとパパ・ママの負担も減ること間違いなし!
デメリット
ファミクロの設置にはデメリットもあります。採用する前にデメリットを把握し、あらかじめそれぞれの対策を立てておくことでファミクロを最大限に活用できます。
他の部屋の間取りが小さくなる
当然のことですが、ファミクロのスペースを確保する分、他の部屋に使えるスペースが減ります。間取りを決めるときは優先順位をよく考えて決めましょう。
においや湿気がこもる場合も
ファミクロは収納するものが多くなりがちです。対策が不十分だとにおいや湿気が気になる場合があります。壁には調湿効果のある素材を使用したり、窓や換気扇を設けるなど、においや湿気対策をしましょう。
子どもが成長すると使わなくなることも
子どもの成長とともに、ファミクロを使わなくなる場合があることを理解しておきましょう。反抗期・思春期で、親と一緒のスペースで着替えることに抵抗が出てきたり、親元を離れたりする可能性が考えられます。貴重なスペースを有効活用するためには、使わなくなったファミクロをどのように使うか考えておくことが大切です。
朝は混雑することも
ファミクロを使う時間が被ると、ファミクロの中が混雑してしまいます。特に朝の支度の時間は混雑しがち。時間帯をずらしての使用や、着替えができるスペースを広めに確保しておくなどの対策が必要になります。
計画を失敗すると、ただの物置に
漠然とファミクロを設置してしまうと、いろいろなものを収納しすぎてただの物置と化してしまうことも。「物を置きすぎて必用なものが取り出しにくい…」ということになってしまうと、使い勝手も悪くなってしまいます。「ファミクロ」として最大限に活用するためにも、収納に必要な大きさやどう使うのかなど、具体的にイメージしましょう。
まとめ
ファミクロは、ただ「家事がラクになるから」「おしゃれだから」などの理由だけで採用すると後悔することになりかねません。
ファミクロの採用で後悔しないためには以下の3点が重要です。
- 目的に合わせた場所選び
- 収納量と使い方によりサイズを決める
- 将来性も考えて決める
動線や収納タイプの種類も考慮し、実際に何年後、何十年後と使う場面をイメージすることも大切です。
家事や生活の動線をスッキリさせてくれるファミクロ。デメリットも理解したうえで、将来性を見通して計画・設計しましょう。家族の荷物量や使い方など、計画をしっかり練ることでファミクロを無駄なスペースにすることなく有効活用することができます。